モニークはシドニーにあるデザイン学校でグラフィックデザインを専攻し、卒業後は広告会社でデザイナーとしての経験を積みました。
そして23歳のとき、より自由な環境を求めてゴールドコーストへと移住します。

その頃のモニークは、「自分だけにしかできない表現とは何か？」を日々探し続けていました。
まだ明確な答えは見つかっておらず、レストランでアルバイトをしながら、創作活動に励んでいました。

ある日、勤務先のオーナーがモニークの経歴を知り、「お店の看板デザインをお願いできないかな？」と声をかけてきます。
モニークは「はい」とすぐに引き受けましたが、いざデザインしようとすると、なかなか良いアイデアが浮かばず、手をつけられないまま時間が過ぎていきました。

オーナーに「デザイン持ってきた？」と何度も聞かれるたびに、モニークは「家に忘れました」と答えるしかありませんでした。
「持ってきた？」「忘れた。」そんなやりとりを何度も繰り返していたのです。

そしてある日。いつものように「忘れました」と答えると、オーナーから「じゃあ、今すぐ家に帰って持ってきて」と言われてしまいます。

ついに逃げられなくなったモニーク。
ところが、そのプレッシャーの中で不思議とインスピレーションが降りてきたのです。
急いで帰宅し、黒板にオイルパステルで原画を一気に描き上げました。

そのままお店に戻り、オーナーに作品を見せると、とても喜ばれ、すぐに店頭に掲示されることに。

この出来事をきっかけに、モニークの描いた看板は口コミで評判となり、次第に「うちのもお願いしたい」という依頼が増えていきました。

こうして、黒板にオイルパステルで描くという、モニークならではのオリジナル技法が生まれたのです。

そして彼女は、そのアートスタイルを「モニークのチョークアート」と名付け、自身のビジネスとして本格的にスタートさせました。

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